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そんな俺たちの脇を、カップルが何組か通りすぎていった。
その中で、老夫婦の姿に目を奪われる。
品のいいスーツとワンピースをオシャレに着こなした2人は、70代だろうか?
それでも、仲良く手をつないで微笑みを交わす姿は、初々しいカップルのようだ。 なんだか素敵だな。
プライドとか、世間体とかに縛られないで、相手を想う気持ちのまま行動できるなんて、本当にうらやましい。
俺は、いつだって素直になれないから。

【浅葱】
「素敵なご夫婦だな」

どうやら浅葱も同じように思っていたらしい。

【イオン】
「あっ……」

不意に手を握られて、一瞬戸惑う。

【浅葱】
あの2人にあやかってみるのも悪くないだろう?

【イオン】
はい

恥ずかしくないと言えば嘘になる。
だけど、たまにはこんなのも良いのかもしれない。
浅葱と過ごす、甘く穏やかな時間はとても心地よいから。